祇園祭2025 後祭巡行（八幡山～大船鉾）

　　 2025年の祇園祭もラストの記事となります。後祭巡行の後編、大船鉾までをお届けいたします。
（※7月24日撮影）




さて、いよいよ巡行も後半。7番手の八幡山がやってきました。
八幡山は、山の上の金色の社に会所の八幡宮を勧請して巡行します。
八幡山はあっさりと辻回しを90度で終えました（笑）

前懸と胴懸は、聖獣三態胴掛幕とよばれます。前懸には唐獅子、胴懸には貘（バク）が見えます。見えない逆側には龍が描かれており、「聖獣三態」なわけですね。平成二（1990）年の復元新調。
見送りは「日輪双凰図の帽額付き」童柄でした。
裃姿の役員の方々が一列に並んで八坂神社に向かって二礼二拍手一礼。
次にやってくる黒主山の役員の方々でした。
黒主山は大伴黒主が桜を見上げて感嘆の表情をしている様子が描かれた山。あ、この角度だと黒主さんの顔が見えないなぁ・・・
と思っていたら、やってくれました！黒主山も一回転してくれるようです。桜にやや隠れていますが黒主さんが見えました。
しっかり胴懸、見送りも見せてくれます。
見送りは、「宝散し額唐子嬉遊図」。龍村美術織物さんが平成16（2004）年に復元新調しました。
おお、2周目に突入です。
ぐるり全ての懸装品を見せてくれますね。
なんと！止まることなく3周目に！沿道もどよめき、拍手喝采です（笑）
見送りも3回もみせてもらいました😁
やったった～！な表情な舁き手さんたち(^^)こちらは皆さん外国人でした。パワーあるわけだぁ。
いい笑顔で巡行を続けられていました。
山に続いて、荷車にちびっこが二人ついていました。いい経験でしょうね～。将来の担い手！
さて、くじ取らずの山鉾を除いては最後の山、鈴鹿山です。
黒い傘と、白の装束が特徴の舁き手さんたち。御神体人形の鈴鹿権現（瀬織津姫神）は、能面姿なのですが、その能面の下は実は絶世の美女なのだそうです。
ヨッコラショ、と交差点で山を持ち上げ・・・
あっさり90度の辻回しを終えて進んでいきました。
巡行ルートの内側に陣取っていると、1回転してくれないと御神体人形のお顔が拝めないんだなぁ。残念。
見送りは昭和57（1982）年新調の「ハワイの蘭花」。皆川月華の作品です。
くじ取らずの鷹山がやってきました。
まだ屋根が白木です。来年までに漆塗りを施すそうで、この姿も今年限定。そして、今年はアクシデントがあったため、真松が短めなのもレアですね。
んん？辻回しですが、変わった陣形に構えましたね。
よーいとせ！と曳き手が力を込めましたが、あまり動かず。ちょっと力が分散してませんかね？
改めて・・・やっぱり車輪から90度のラインがよさそうですね。
よーいとせぇーーー！今度はしっかり30度くらいまわりましたね。
さあ、3回目！よーい、よーい、よーいとせぇーーー！
無事辻回しをおえて、四条通を進みはじめました。
うつくしい白木の屋根を目に焼き付けておきましょう。来年はどんな姿になるのか、楽しみですね。
見送りは、前祭の先頭を征く長刀鉾から送られた「鳳凰円紋額百子嬉遊図　綴織」。長刀鉾は誕生800年の記念事業として、復興を果たした鷹山の見送りを寄贈したそうです。大津祭の曳山である西王母山の見送を基にしているそうで。
さあ、後祭巡行もクライマックス。大船鉾があらわれました。やっぱりでっかい！
四条河原町交差点中央まで進んできました。直径2.13ｍ、重さ685Kgの昨年新調された車輪が存在感を表しています。
曳き手さんもしっかり四条通に二列に並び、辻回しの準備に入りました。
よーいとせぇーーー！大きな大船鉾が展開する様子は圧巻。
背中の「四」は大船鉾のトレードマーク。鉾町のある四条町に由来します。
見事！凱旋の船、大船鉾が西を向きました。
音頭取りさんも二人に戻り、いざ、四条通の巡行へ出港！
エイヤラヤー！前祭、後祭ともに船形の鉾が殿（しんがり）を努めます。前祭は出征の船、後祭は凱旋の船。大船鉾が復活することで、祇園祭の山鉾巡行が本来の形に戻ったと言われます。
みよ、この雄姿。今年は大金幣を舳先につけての巡行でした。来年は龍頭ですね。この変化も祇園祭の楽しみの一つ。
2014年に復興を果たした大船鉾。鷹山同様、徐々に懸装品が新調されたり、漆が塗られたりして、今の形になりました。昨年車輪が新調されて、ほぼ完成形ですね。
飛龍が波の上を飛ぶ様子が刺繍された楫、「緋羅紗地雲龍波濤文様刺繍」を眺めながら大船鉾を見送りました。

暑い暑い中での巡行、おつかれさまでした。無事の巡行をお祝い申し上げます。