祇園祭2025 後祭山鉾巡行（橋弁慶山～北観音山）

　　
後祭の巡行はスカッと晴れた日に行われました。まずは前編として準備の様子から北観音山の辻回しまでをお届けします。
（※7月24日撮影）




朝イチから四条河原町交差点へ。すでに巡行を見るために沢山の人が場所取りを始めていました。
月桂冠の人たちが、樽に水を準備しはじめました。辻回しの際に竹の上にかける水ですね。
巡行の行列がくる前に、裃姿の役員の方が、桶に清酒を注ぎます。
そして、榊を清酒に浸して、巡行が進む方向へお祓いをされました。
さあ、巡行の始まりです。おなじみ「祇園會」の幟からスタート。
一番手はくじ取らずの橋弁慶山です。
河原町通を南下してきた橋弁慶山は、交差点に差し掛かると、舁き手さんがお神輿のように肩を入れて持ち上げ・・・
西へと方向を変えます。舁き山の辻回しはこんな感じ。
五条大橋で初めて顔を合わせた牛若丸と弁慶の出会いのシーン。ヒョイと橋の欄干に片足立ちして弁慶の薙刀を躱した牛若丸の軽快さが現れています。
お、交差点に竹が並べられています。ということは曳山がきますね。
二番手は、こちらもくじ取らずの南観音山です。2023年の巡行から、隔年で北観音山と南観音山が2番手と6番手を交代します。
おお、ちびっこも裃姿ですね。がんばれー！
さあ、揃いのブルーの法被の曳き手さんが現れました。
そして・・・祇園囃子と軋み音を響かせながら南観音山が現れました。
四条河原町交差点に差し掛かると、並べられた竹のうえに前輪を乗せて停止。
さあ、辻回しです。綱を持った曳き手さんが車輪の横に並びます。まずは90度の角度から曳くようですね。
辻回しの際は音頭取りさんが4人になります。よーいよーいよーいとせ！よーいとせぇーーー！
並べられた竹の上を前輪が滑り、南観音山の角度が30度ほど西を向きました。
再び、車輪横に曳き手さんが並び直し、2度目の音頭が。扇が返りました！よーいとせぇーーー！
おお～！見事90度西を向きました。大きな南観音山の正面が見えましたよ。
音頭取りさんが再び2人になり、掛け声が始まります。サッと扇が上がりました。エイヤラヤー！西に向けて南観音山が進み始めます。
後祭の山鉾は、鉾と名前がつくのは最後の大船鉾のみ。あとの１０基はすべて山なのですが、南観音山、北観音山、高山は曳山、と呼ばれ、前祭の鉾と同じように大きな車輪を持つフォルムです。
楊柳観音を祀る南観音山右後ろに柳を飾り、町の厄を集めて回ります。
三番手は役行者山です。
交差点にやってきた役行者山。一言主神は赤熊が見えているので背中ですね。辻回ししてもお顔は見えないなぁ・・・
と思っていたら・・・西を向いたと思ったら、更に回り始めました！おかげで一言主神の鬼形のお顔が見えましたよ。
そして葛城神の背中も見えました。辻（交差点）にいる人達に、御神体人形、左右の胴懸、見送りも見てもらおう、という舁き手さんたちの意気込みですね。
おや、なんともう一回り！二回転してくれました。
これには沿道からも拍手喝采！ええぞ～！と声も飛びます。見送りは「紅地唐美人図」です。
役行者山の行列には山伏さんも。法螺貝を葺きながらの巡行です。
辻回しを終えた舁き手の皆さんも意気揚々と進んでいかれました。
お次は浄妙山。
辻回しが始まります。
この浄妙山、なんともアクロバティックな御神体人形の連結。宇治川の戦いで、先頭で奮戦する師匠である浄妙坊の頭に手をかけ、悪しゅう候 御免そうらえ（悪く思わないでください、すみません）と言いながら飛び越え、前に出て戦って討ち死にした一來法師。
この時、宇治橋は敵によって橋板が外されていました。浄妙坊より前に出るには、飛び越えるしかなかったのですね。そんなシーンを再現した山です。
続くは鯉山です。
左甚五郎作の鯉が山の上で滝登り。東山をバックに交差点にやってきました。
お、鯉山も一回転してくれるようですよ。沿道からは拍手！
こちらの山は前懸、胴懸、見送りがもともと一枚のベルギー・ブリュッセル製のタペストリーから切り出されて作られています。なので、町のお宝を四方から見て！という思いは強いでしょうね。切り出された
一回転を終えた鯉山。舁き手さんも満足げです。
見事な懸装品、しっかり四方からみせていただきましたよ。
お、竹が並べられはじめました。ということは北観音山が来ますね。浴衣の模様も六角形。北観音山のトレードマークです。
北観音山の幟はイケメンくんが掲げてやってきましたよ。
六角形のトレードマークを背中にしょった曳き手さんが現れ・・・
北観音山が交差点にやってきました。
辻回しの態勢にはいりましたよ。
よぉいとせぇ～！音頭取りさんの声をきっかけに曳き手さんの力がこもります。
二度目の辻回しはこの角度で。山によって、少しずつ辻回しの曳き手さんの陣形も違いますね。
よ～いよ～いよ～いとせ！大きな車輪をグイッと横から曳いて、北観音山の方向を変えていきます。
バッチリ西をむきました。ちょっと回りすぎたかな？
さあ、巡行再開。曳き手さんが西側に着陣し、音頭取りさんも二人に。
鏑（かぶら）を持った車方さんが車輪の下に鏑をいれて方向を整えていきます。直進のみ！の曳山の進路の微調整を担います。

北観音山も楊柳観音を祀りますので、立派な柳を右後ろに垂らして巡行されます。

次回は、続きの八幡山から殿を飾る大船鉾までを後編としてお届けします。