甘茶咲く（建仁寺塔頭・霊源院）

　　 爽やかな甘茶の庭へ。建仁寺塔頭・霊源院では、甘茶が咲く季節に合わせて特別公開をされています。
（※6月8日撮影）




霊源院へ。ちらっと門から見えた甘茶、満開ですね。
入口で満開で出迎えてくれる甘茶。まさにこの花に特化されたかのようなお寺、お庭です。
こちらがエントランス。並んで出迎えてくれるように甘茶が咲いていました。
ガクアジサイ？とおもいますよね。葉っぱが違うんです。甘茶は艶がなく、やや細長い形。この葉っぱを乾燥させ、煮出すと甘い成分が出たお茶になります。これが灌仏会（お花祭り）でも使われる甘茶です。
受付を済ませて奥へ。こちらが「鶴鳴九皐の庭」です。
正面向かって左側奥に向かって、甘茶が咲き乱れるのが特徴。
石塔を包み込むように甘茶が咲いています。
奥から甘茶が流れ出てくるような演出が特徴。
淡い紫の甘茶の花、ホント、ガクアジサイと見分けがつかないほど似ています。
そして、この流れは書院を囲むようにカーブを描いて奥へ続いていきます。
手水鉢の周りの甘茶。まさに満開です。
葉っぱは艶のないのがよく分かると思います。紫陽花と比べると厚みも薄いです。
紫陽花の葉にはアルカロイドという毒素がありますが、甘茶にはありません。だからお茶にできるんですね。
誰がこの葉っぱを乾燥させて煮出すと甘いと気がついたのでしょうね。すごいなぁと思います。
お茶席にはターコイズブルー基調の茶道具が置かれていました。
こちらは書家の金澤翔子さんの作品。力強いですね。毘沙門天と書かれています。
天井の龍図は陳漫（チェンマン）さんの筆による「墨龍図」。１２畳の間の天井に描かれた作品です。甘茶の庭は天竺、中央あたりが中国、そしてここは日本。そのように2020年のお庭初公開のときに副住職様から説明いただきました。こちらが天竺（インド）なのですね～。
甘茶の前にある四角い石は座布団を表しています。観光客もここで座って記念撮影が出来ます(^^)インドから運んできたのだそうですよ。そして、この真ん中の岩場が中国。だるまさんが悟りを開く場面です。
甘茶の咲く庭からの流れはこの角に流れ着きます。
日本、のお庭には、お茶の木が植えられています。天竺からお茶が日本に伝来してきた様子を表現したお庭なのだそうです。
白い花はクチナシ。この季節、甘い香りを放つ爽やかな花です。
流れは角を曲がってこちらまで続いています。
さて、そろそろ御暇しましょう。上がり框から玄関外のお庭を見下ろして。
紫陽花より一足早く満開となる甘茶を堪能させてもらえる霊源院のお庭。鶴鳴九皐のお庭でした。