西国街道ひな人形巡り（旧上田家住宅）

　　 久しぶりに西国街道ひな人形巡りを訪れました。以前より規模が縮小していましたが、初訪問の旧上田家住宅はその立派な建物と設えを楽しめました。
（※3月2日撮影）




西国街道ひな人形巡り、まず訪れたのは中小路家。立派な旧家です。おや？なるほど、貴賓玄関にお雛様を出しておられました。喫茶店はやっておられましたが、お雛様は外から見るようです。御殿雛と段飾りの融合みたいな感じですね。以前はお宅の中にいくつかの雛飾りをされていたのですが、ちょっと規模縮小な感じですね。どうも参加しているお店なども、外向けに飾っているのを見てください、的な展示だったので、狙いを定めて「旧上田家住宅」を訪れました。この場所に移築された建物ではありますが、当時の面影を残す立派な旧家の建築です。
早速お雛様が。広い土間からの小上がりにかっこよく展示されています。
しか～し！お雛様に目を向ける前に目を奪われたものがありました。この立派な「おくどさん（かまど）」です。かまど越しにお雛様とつるし雛を。いや、やっぱりこのおくどさん、気になります（笑）なんとカーブを描いて並ぶかまどは６つ。こんな立派なおくどさんはこれまで見たことなかったです。まだ現役で使われているのだそうですよ。ひとりで竈番ができるように、火の口が一望できる仕組み。しかし、熱そう（苦笑）さて、本題のお雛様を。昭和初期のものだそうで、とってもキレイに保存されたものでした。手前のお琴はミニチュアながら、実際に演奏ができるスグレモノ。雪見窓からお雛様の横顔を額縁構図にしてみました。この立派なお宅、簡素ながら設えが立派です。奥の雪見窓から見えるお庭・・・なんと、ちょっとしたお寺よりも見事なお庭でした。そして、この漆喰の色が何ともおしゃれ。Daikinさんのエアコン、化粧板が変えられるのですが、バッチリ壁と同色でした。床の間はケヤキの一枚板で、中央には杉絞り丸太の柱が。見事ですね～。そして、ここにもお雛様が飾られていました。隣のお部屋の神棚もとても立派でした。離れでは里見勇三さんの作品展が開催されていました。清水焼の陶芸家だった里見勇三さんは、陶器の作品とともに、絵付けの腕を活かして絵画や書の作品をたくさん残しておられます。
赤富士が大好きだったそうで、絵にも陶器の作品にも赤富士が登場します。惜しくも3年前に他界されたそうですが、たくさんの味のある作品を拝見させていただきました。美しいいけばなに見送られて外へ。帰りにもやっぱり気になる立派なおくどさん（笑）
帰りに須田家別宅にも伺いました。平成天皇即位の頃のお雛様だそうです。こちらは矢尾卯さんの店先のお雛様。ガラス越しなので超広角でヨリヨリです（笑）

ちょっと規模がさみしくなった西国街道ひな人形巡りですが、旧上田家住宅は初訪問で楽しめました。