黒髪（上七軒・ふじ千代さん）

　　 舞妓さんが先笄の頃に舞うことを初めて許される「黒髪」。もともとは芝居で使われていた唄なのだそうです。
源氏再興のために北条時政の娘、政子と結婚する源頼朝のことを慕う伊東祐親の娘が、自分の恋を諦め、頼朝と政子を二階の寝間へ見送ったあと、嫉妬の思いにかられつつ、鏡に向かって黒髪を梳く情景が描かれています。




黒髪の
むすぼれたる思ひをば解けて寝た夜の枕こそひとり寝る夜の　仇枕袖は片敷く　夫（つま）ぢゃといふて
愚痴な女の　心と知らでしんと更けたる鐘の声ゆふべの夢の今朝さめて

ゆかし
懐かし
やるせなや
積もると知らで
積もる白雪


上七軒は、置屋によって黒髪の振り付けが異なるといいます。ふじ千代さんの舞は、新たに始められた置屋さん初めての黒髪でしたが、とても美しい所作でした。

※歌詞と振り付けは一致しておりません。あしからずご了承ください。