先笄の頃（上七軒・ふじ千代さん）

　　 舞妓さんとしての最後の輝き。先笄（さっこう）は芸妓さんになる舞妓さんが、最後のほんの十数日ほど結う髪型です。
襟替え（芸妓さんになること）を控えたふじ千代さんを撮影させていただく機会がありましたのでお届けします。
（※2月18日撮影）




ふじ千代さんは上七軒の舞妓さん。最初に知り合った頃は、別のお名前でしたが、故有って一度花街を離れ、ふじ千代さんとして帰ってこられました。それがこうして、めでたく芸妓さんへ「襟替え」することとなられました。襟替えの前の十数日、先笄という髪型に頭を結い、お客さんの前で「黒髪」という舞を披露します。

歯にはお歯黒。これはその昔、人妻であることを表していたそうで。この先笄という髪型も、新婚さんが結う髪型だったそうで、それが、芸妓さんになる舞妓さんの最後の髪型として使われるようになったのですね。
この複雑な髪型。べっ甲の笄（こうがい）が横向きに髪型を貫いています。この笄を引き抜くと、はらりと解ける・・・髪型だそうですが、襟替え前の多忙な舞妓さんですから、そこはガッチリ椿油で固められています。
洗練された、一番美しい舞妓さんの姿。ふじ千代さん、よく頑張られましたね。
ふわっと笑みをたたえて。ニンマリ笑うと、お歯黒が・・・ですからね（笑）
少女から大人へ。舞妓さんから芸妓さんへの襟替えは、まさにそんな儀式なのかもしれません。
その笑みは、もう大人のそれでした。
芸妓さんになると、地髪ではなく、鬘をつけることになるので、まさにこれが地髪で結う最後の髪型。
でも、芸妓さんの鬘も似合いそうですね(^^)
花街に来た頃の、フレッシュな舞妓さん時代も知っているだけに、感慨もひとしおでした。
ちょっと髪型をお直しして・・・
縁側に座ってもらいました。おちついた佇まい。
ほんと、大人になりましたね。いろいろを乗り越えて、芸妓さんへと・・・
少し減ってしまっていた、上七軒の若手芸妓さんですが、ふじ千代さんの襟替えで、ちょっと活気が出そうです。
今後のますますのご活躍をお祈りしたいと思います。ふじ千代さん、がんばってね～！
次回、黒髪の舞を少し撮影させていただいたので、その様子もお届けします。