教林坊別院

　　 近江商人、松居久右衛門の旧宅が、今年春に近江豪商（マーチャント）ミュージアムとして開館・公開されました。
国の登録有形文化財にも指定された建築、ご覧ください。
（※10月7日撮影）




教林坊別院としてオープンしたマーチャントミュージアム。建築13棟が国登録有形文化財、庭園が『松樹館庭園』として国登録記念物（名勝地関係）に選ばれています。

お庭の石灯籠も独特。
中に入ると、ひろ～い空間が。
これは帳場ですね。いわゆるレジ（ちょっと違うか）。
番頭さんになったつもりで座ってみました。
そろばんや天秤が当時を物語ります。
土間のおくどさんも存在感あります。
当時の電話もありました。くるくる回すタイプですね。隣のトトロでも出てきましたが、当時はこういう大きなお宅にしかなかった電話。玄関先に小部屋が設けてあるということは、借りに来る人もいたのでしょうね。
そしてこちらは上段の間。大正期に久邇宮邦彦王一家が宿泊されたそうです。
なんと立派な。お雛様とお内裏様がぴったりの間です。
そして特徴的な猪目窓があるこのお部屋も一階にあります。
鏡面が楽しめるように、ということでしょう。ホントに鏡がおいてありました（笑）テーブル等の映り込みやアクリル板とは違い、そりゃあもうクッキリ。
こちらはお庭。強い光だったのでこの一枚しか撮影できていませんが、国の名勝指定を受けたそうです。もうちょっとちゃんと見たら良かったなぁ。
というわけで今回は建物メイン。先程の猪目窓周辺の設えを。
ランプのデザインもレトロでカッコイイ。
花格子も芸が細かいですね。
蔵スペースには、長押などがおいてありました。お宝いっぱいなのでしょうね。
これ、床下を上から見ています。千両箱の入る隠し金庫だそうで。「万両庫」といいます。石組みでつくられており、盗難防止かつ火災から守る効果もあったのでしょうね。
こちら、東洋陶器（現TOTO）製の日本最古の陶器製便器。今は使われていませんが、使われていた現物が残っているというのはすごい。そして、窓の向こうに見えるのは、用を足すときに見るためだけのお庭。
明かり採りの窓の設えも凝ってますが、よく見るとやっぱりお庭も見事。ちゃんと見ればよかったなぁ（２回目）
こちらは２階の洋間。・・・というか和室を洋風に使っておられる感じですかね。
こちらもソファが入れられていて、重役会議室のような雰囲気。和洋折衷ですね。
古い扇風機と、りっぱなオーディオ？
こちらも手回し式のレトロな電話。卓上型です。万年筆のインク瓶もレトロ感あるなぁ。
蓄音機はビクター製。
屋根裏にはお釈迦様の弟子の一人、摩訶迦葉（まかかしょう）が祀られていました。
屋根裏から降りるときに発見。神棚です。これまた立派。
ステンドグラスにも趣があります。
これは高級置き時計。文字盤はともかく、針はどうなってるんでしょうね、これ。午前午後の語源の午の刻が一番上（昼１２時）、下の子の刻が夜１２時。２４時間計なわけですね。
最後は蔵の中に祀られた大黒さんにご挨拶して帰りました。さすが、教林坊別院、ということで、ちゃんとお堂があるわけですね。

再訪する機会があれば、お庭もちゃんと見てみたい場所。季節を変えて訪れてみても良いかもしれません。（サツキが咲きそう）