2023祇園祭（前祭）山鉾巡行・長刀鉾の注連縄切り

　　 三連休に重なった山鉾巡行。人出も暑さも最高潮でしたが、長刀鉾のお稚児さん、お見事でした。祇園祭（前祭）山鉾巡行、長刀鉾の注連縄切りからスタートです。





今年もこの季節がやってきました。山鉾巡行の朝。斎竹（いみたけ）の幟があがりました。役員の皆さんが裃（かみしも）の帯に魔除けの笹を差します。祇園祭名物、交通信号作業車。手際よくエアジャッキで車体を固定し、クレーン部分に人が乗って作業します。手慣れたもので、どんどん四条通の信号がたたまれていきます。揃いの浴衣。「斎竹」と染め抜かれていますね。役員の方々が、祭壇の上の注連縄の準備にかかりました。縄を道路に落とさないように伸ばしていきます。斎竹のところにいた役員の方から荒縄が降ろされ、注連縄を結んで引き上げます。紙垂が飾られているのが斎竹。7月15日に建てられます。注連縄の準備が終わり、役員の皆さんが祇園さん（八坂神社）に向かい、二礼二拍手一礼。巡行の無事を祈ります。そして、くるりと回れ右。長刀鉾が来るのを待ち受けます。先頭の「祇園會」の幟がやってきました。鉾の姿が見えると、役員の方によって清めの塩が撒かれます。そして・・・ギギギッ・・と大きな車輪をきしませながら、長刀鉾が登場しました。沿道の観客のボルテージもグンと上がります。注連縄のところまで来ると長刀鉾は一旦とまります。報道さん、三脚立てて撮る規制線はもっと後ろなんですがねぇ・・・お稚児さんが立ち上がりました。これから注連縄切りの準備が始まります。お稚児さんは一旦奥に下がり、注連縄を切る台が取り付けられました。そして、鈎がついた棒で、注連縄を両側から引き寄せ、台の上へ。注連縄がピンと張られたところへお稚児さんが再登場しました。観客のボルテージは最高潮へ。でも、シーンと所作を見守ります。祇園囃子だけが響く時間。お稚児さんの注連縄切りの儀式が始まりました。右手をグッと伸ばして回し・・・向かって右手にいる禿（かむろ）から太刀を受け取ります。太刀を受け取った右手は上から握っているので・・・もう一度大きく右手を回して・・・太刀を掲げるように下から持ちます。そして、八坂神社に向かって太刀を捧げ一礼。太刀をくるりと回し、柄を右手の方へ。そして、また大きく右手を回すと・・・柄を握って・・・抜刀です。カチリ、鯉口が切られ、刀身が見えました。鞘から太刀を抜き取ると、鞘は向かって右の禿に渡されます。そして堂々と両手を広げると、沿道から拍手が。（トップ写真）切先を見つめると・・・両手で太刀を握り、右から左へと刀を振ります。グッと左手へと切先を向けます。そして今度は左から右へ刀を振ります。この所作を二度繰り返したあと・・・正面を向いて、精神集中。いざ！ストン！一刀両断にて注連縄が切られ、結界が開きました。左右に分かれ飛ぶ注連縄。左の裃の役員さん、立つのが早い～💦役員さんの背中でブロックされているうちに、太刀は鞘の中へ収められていました。そして八坂神社に向かって、太刀を捧げ持ち一礼。太刀は、今度は向かって左の禿に渡されて、注連縄切りの儀式は終了です。エイヤラヤー！音頭取りさんの掛け声がかかると、長刀鉾の出発です。ググッと曳き手さんにも力が入ります。ギギギギッ・・・軋み音を響かせながら、長刀鉾、いざ出発です。沿道からは大きな拍手が響きました。動く美術館と言われる山鉾。先頭を征く長刀鉾、やっぱりカッコいいですね。かくして、晴天に恵まれた2023年の前祭山鉾巡行、始まりました！後日、巡行の様子をお届けいたします。