2023祇園祭（前祭）会所巡り 前編

　　 今年は3連休に宵山、山鉾巡行があたりました。コロナ明けもあって、人出も多かったですが、何より暑かった！
宵山の日に、会所巡りをしてきましたので、その様子を2回に分けてお届けします。




朝からいい天気でアッツアツ。今年は保昌山から回ると決めていました（笑）ちょっと離れたところに会所があり、後からだと忘れがちですからね。会所の二階には御神体人形が飾られています。保昌山の御神体は平井保昌。巡行時は、愛する人のために紫宸殿に忍び込んで手折った紅梅を持っています。ロマンティックな山として、縁結びのお守りが授与されているんですよ。提灯のこのマークでどの山か分かる人は祇園祭ツウ。白楽天山でした。「白」の字のデフォルメマークですね。今年山弐番の巡航順を引き当てたそうです。では、この鉾頭はどの鉾のものか。これも分かる人はツウですね。答えは鶏鉾でした。諫鼓という、訴えの際に打ち鳴らす太鼓を鳴らすことがなくなるほど平和になり、そこに鶏が宿り、卵を産んだという故事により、鉾頭は諫鼓を表す三角の中に卵のマル。装飾の鶏は、今にも動き出しそうな見事な彫刻ですね。綾傘鉾にやってきました。おなじみの天女様。この会所には・・・牛頭天王（ごずてんのう）と書かれたお軸の前に、２つの御神面が。棒振り囃子の際に太鼓を叩く二人がつけるお面。癋見面（べしみめん）と飛出面（とびでめん）と言います。※現在は複製が使用されています。やっぱりこの鉾は見ておきたい！ということで船鉾へ。ある意味、祇園祭の主役なんです。楫（かじ）には螺鈿細工の飛龍が描かれます。この飛龍を見るだけでも値打ちがあります。裏面ももちろん飛龍。美しい色彩を放つ様子は必見です。船の艫の部分にも飛龍がいきいきと。見事な装飾ですね。船鉾には御神体人形が4体も。住吉明神、鹿島明神、龍神・安曇磯良が並び・・・メインの御神体はこちら、神功皇后です。長い髪と右手が見える、神秘的な飾り方です。
え、祇園祭のメインは長刀鉾でしょう？って。トップを行く鉾としての主役感は長刀鉾ですが、殿（しんがり）はどの鉾でしょう。そう、前祭も後祭も、神功皇后を乗せた船が征きますよね。祇園祭の物語は、神功皇后の物語。前祭は出征の船、後祭は凱旋の船、と言われます。
岩戸山にやってきました。くじ取らずで、船鉾の一つ前を巡行する「曳山」です。こちらの御神体はこの御簾のむこうに。天照大神（あまてらすおおみかみ）、手力男尊（たぢからおのみこと）、伊弉諾尊（いざなぎのみこと）
この3体が御神体です。隙間から見えたのは手力男尊。お、あのお顔は・・・伊弉諾尊ですね。巡行時は屋根の上に乗っていますよ。会所には懸装品が飾られていました。今年初お目見えの岩戸山の木組み模型。縄絡みの様子も忠実に再現されています。なんと、囃子方の人がお一人で作成されたのだそうですよ。木賊山へ。会所は全面に懸装品が飾られ、奥に御神体人形が。木賊山は、我が子を人にさらわれて一人信濃国伏屋の里で木賊を刈る翁をあらわしているので、少し悲しそうな表情をしています。前編最後は太子山へ。御神体人形は、言わずとしれた聖徳太子です。懸装品の飾りもなかなかカッコよかったです。飛龍の柱飾り（角房掛金具）、豪華ですね。御神体の飾られている会所は、このような立派な傘と提灯があるのでわかりやすいですね。
後編に続きます。