2023桜咲く京都 豊国神社の蜂須賀桜

　　 蜂須賀桜、とは、歴代徳島藩主、蜂須賀家の名前にちなみます。徳島城御殿に咲いていたこの桜が、ゆかりの地に植樹されています。
ここ、豊国神社は、言わずと知れた豊臣秀吉を祀る神社。秀吉の盟友、そして豊臣家を支えた蜂須賀小六。ここ、豊国神社に蜂須賀桜が咲く所以は、ここにあります。
（※3月12日撮影）




豊国神社へ。秀吉像が出迎えてくれるこの神社、秀吉が築いた大仏があった方広寺の地に明治期に再建されました。秀吉像の背後に満開になっていたのが蜂須賀桜。ヤマトザクラと沖縄系のカンヒザクラの交雑種で、カンザクラの一種なので早咲きの桜です。
沖縄系らしく、ピンク色が濃いめ。徳島城の御殿にしか咲いていなかったこの桜、最後の藩主である蜂須賀茂韶公が藩士原田一平に、移植して守り育てるようにと託したものだそうです。桜の背後は方広寺の鐘楼。歴史好きの方はご存じの、「方広寺鐘銘事件」が思い浮かびますね。背後の唐門は、伏見城の遺構といわれます。もとは南禅寺の金地院にありました。京都の近代化を推進した、明石博高が買い取る形で、資材をなげうってこの地に移設し、豊国神社の再建に貢献したそうです。そんな豊国神社に蜂須賀桜が植樹されたのが2010年頃だと思います。そこから10余年。今では京都の春をいち早く彩る早咲きの桜として親しまれています。