2022祇園祭 前祭山鉾巡行・前編

　　 長刀鉾の巡行を見送った後は、一通りの山鉾を見るために御池新町へと移動。迫力ある辻回しなどを楽しみました。
まずは前半、山一番の孟宗山から籤取らずの函谷鉾、そして蟷螂山までをお届けします。




四条通で長刀鉾を見送った後、やってきたのは今年の山一番、孟宗山。
別名、笋山（たけのこやま）。中国の史話「二十四孝」の一人「孟宗」が、病の母を思い、雪の中で筍（たけのこ）を掘りあてた姿なんです。

孟宗の笠や手に持った筍にも雪がかぶっていますね。後ろの松にも雪が積もっています。
山二番、保昌山がやってきました。
この山はロマンチックな山。別名「花盗人山」。
丹後守平井保昌が和泉式部のために手折った紫宸殿の紅梅を持っています。
紫宸殿とは天皇のお住まい。惚れた和泉式部のために紫宸殿に忍び込み、警護の兵に矢を射掛けられながらも手折ってきた紅梅。馬鹿なことを、と思いつつもそこまでしてくれた保昌にほだされ、和泉式部は平井保昌と結ばれています(^^)

山三番、郭巨山です。
山で唯一、覆い屋根をつけているのが特徴。別名を釜掘山といいます。山一番の孟宗山同様、中国の史話「二十四孝」の郭巨にちなみます。困窮した郭巨は、母と妻、息子の四人暮らし。食べるものにも困ります。「子は再び得られるも、親は得られず」と息子を土に埋めて（！？）、母を養うことに決め、穴をほっていたところ、黄金の釜を掘り当て、母も息子も助かった、という話（かなり端折ってます）。母思いの部分は忠孝と言えますが、息子ちゃんは危なかったですよねぇ・・・
そして、籤取らずの函谷鉾がやってきます。全体としては必ず5番目に登場する、という鉾。
長刀鉾以外は稚児人形が乗ります。この稚児人形は「嘉多丸」さんです。
豪華な懸装品にも注目です。前懸として用いられているのは、１６世紀ベルギー製のタペストリー（毛綴）の複製。旧約聖書の創世記２４章に記されている「イサクの結婚」の物語です。
車輪に付かず離れず見守っているのは車方（くるまかた）。かぶらでこ、と呼ばれるもので車輪の行方をコントロールします。
函谷鉾の囃子方の浴衣、デザインがリニューアルされましたかね？きれいな色でした。
山四番は白楽天山。
唐の詩人・白楽天が道林禅師に仏法の大意を質問しているシーンです。
「如何なるか是れ　仏法の大意」
それに対して、道林禅師は、「諸悪莫作衆善奉行」と答えたと言われます。禅語としても有名で、一休寺にも碑がありますね。
と、ここからは御池新町交差点に移動したところから。山一番の孟宗山が辻回し。山は、ヨイショッとみんなで山車を持ち上げて回転します。
山二番、三番の保昌山と郭巨山も続いてやってきます。
郭巨山、辻回しは通常90度回転するところを、くるっと一回転。
見送りも含めてすべてを見せてくれる大サービスでした(^^)
御池新町では各鉾町へ帰る順番に並び替えが起こります。こんな感じでいくつもの山鉾が並ぶのも御池新町ならでは。
函谷鉾が辻回しポイントにやってきました。横で待機するのは蟷螂山。
勇壮な辻回し。音頭取りさんも4人車輪の上に乗って、気合いをいれます。
見事90度鉾が回転。新町通りを南に向きました。晴天を衝く真木の上につく鉾頭は函谷関の山稜にかかる三日月を表しています。
函谷鉾の後は待機していた蟷螂山が辻回し。蟷螂山は前祭唯一のからくり仕掛け。なので、山車も持ち上げずに曲がります。重たいんでしょうね～。
からくりとはこちら。御所車の上のカマキリの羽が開きました！カマも頭も動くんですよ～。御所車の中で操作している中の人がおられるんです。沿道もカマキリの動きに大盛りあがりしていました(^^)
後編に続きます。