祇園祭2022 山鉾巡行・長刀鉾注連縄切り

　　 3年ぶりに祇園祭の山鉾巡行が開催されました。今年は三連休の中日に前祭の巡行が重なり、多くの人で賑わいました。まずは長刀鉾のお稚児さんによる注連縄切りをお届けします。




朝イチ、この齋竹を目指して四条通を西進。この幟が目印です。
8時をすぎると交通規制がされ、交通信号作業車がやってくると・・・信号を折りたたんで、山鉾の進路を確保します。ググッと力が入ります。きれいに折り畳めると、沿道から拍手が（笑）3年前もこんなシーンあったなぁ、と懐かしくなりました。さて、8時40分。注連縄の準備が始まりました。アーケードの屋根の上から、縄が投げ下ろされました。しめ縄を伸ばして・・・端を先程の縄に結わえて・・・引っ張り上げ、齋竹につなぎます。しめ縄の位置決め。3年ぶりなので、ちょっと微調整に時間がかかってました(^^)
祇園祭の執行役たちが、裃姿で八坂神社に向かって二礼二拍手一礼。そしてクルリと西を向いて、長刀鉾の到着を待ちます。おなじみ「祇園會」の幟がやってきました。山鉾巡行の先頭をゆく幟です。そして「長刀鉾」の幟が。一気に沿道のボルテージが上がります。紙垂を持った方の笑顔に、3年ぶりの嬉しさがこちらもこみ上げてきました。さあ、ギシギシと車輪を軋ませながら、長刀鉾がやってきました。お稚児さんは、呉服屋さん「おか善」さんのご子息、岡本善太くん。凛々しいですね。しめ縄の前まで来ると、鉾が止まります。お稚児さんは胸につけている太鼓を外して・・・注連縄切りの準備が始まります。まずはしめ縄を乗せる台が据え付けられます。そして、鈎でしめ縄を引き寄せて・・・先程の台に、懐紙をのせてしめ縄が固定されました。
禿から太刀が手渡されます。これは真剣なんですよ。
グッと片手で力強く刀を受け取り・・・
両手で下から持って、拝謁。
鞘を上から握り直し・・・右手を回して柄を握ります。カチリ。鯉口が切られました。あたりも静まり返り、祇園囃子だけが聞こえるかのようです。
一気に鞘から刀身を引き抜きます。見事、抜刀。切先をグッと睨むと・・・右側から太刀を振ります。
ゆっくりと・・・左まで振ると、刀を返して・・・次は右へ真剣な面持ち。禿さんも注視してますね。この左右への振りを二度繰り返して・・・中央で狙いをつけます。ストン！太刀が振り下ろされました。しめ縄が左右に分かれ、飛びました。お見事。太刀を握って大きく手を広げ、観衆からの拍手を受けます。大役を終えたお稚児さん。右から鞘が手渡されました。太刀を鞘に収めます。カチリ。結界は解かれました。さあ、巡行の始まりです。太刀は禿が預かり、お稚児さんは鉾の中へ。再び胸に太鼓をつけて登場します。音頭取りさんの「エイヤラヤー！」の掛け声で、長刀鉾が動き出しました。ギシギシと巨体をたわませながら、長刀鉾が発進。そして、お稚児さんの「太平の舞」が始まりました。大きく手を広げて・・・太鼓をポン。そして、両手の撥を突き出すと・・・鉾からグイッと身を乗り出して、右から左へ・・・沿道は拍手喝采。見事な太平の舞です。かくして、3年ぶりの山鉾巡行、3年ぶりの注連縄切りと太平の舞により、山鉾巡行が始まりました。大役のお務め、おつかれさまでした。凛々しいお稚児さん、立派で涙が出そうでした。
後日、辻回しの様子など、もう少し祇園祭・山鉾巡行の記事が続きます。