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花景色-K.W.C. PhotoBlog

京都・奈良を中心に、花と緑や紅葉の景色、そして時々舞妓さんを撮影しています


by Katsu

祇園祭2019 会所巡り(保昌山~船鉾)

  
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雨の夕暮れもありました。
会所巡りの続き、保昌山から始めます。

水たまりに写り込んだ提灯を狙った保昌山。山八番でした。
ここは他の山鉾と少し離れていることから、人出の具合がちょうどいいんです。



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ブルーモーメントの空に浮かぶ保昌山の提灯。
マークはわかりやすく「保」の字です。


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保昌山の由来は、平安期の武将、平井保昌。和泉式部の夫です。
彼女に「梅をひと枝お願い~♪」と頼まれた保昌は、なんと御所の紫宸殿に忍び込み、
梅を手折ったところ守衛に見つかって矢を射掛けられるという・・・なかなかの色男(^^)
恋愛成就、縁結びなどで隠れた人気のある山で、「花盗人山」の異名もあります。


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山九番は白楽天山。
唐の詩人である白楽天が、老松の上に住む道林禅師に仏法の大意を問う場面に取材しています。
仏法の大意の問いに道林禅師は「諸悪莫作 衆善奉行」と答えたといいます。
この言葉、一休さんの愛称で親しまれている一休宗純もお気に入りのフレーズですね。


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傘弐番の四条傘鉾。
マークは分かりやすく「傘」。綾傘鉾は「綾」の字でしたね。


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山拾番は孟宗山。
親孝行の物語に由来しているんですよ。
中国の「二十四孝」の1人とされる孟宗は、病気の母に好物のたけのこを食べさせようと
真冬の竹林を歩きまわって掘り当てて、母親を喜ばせたという故事に由来しています。


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「笋山(たけのこやま)」の異名も持つこの山、手に持つ筍や被っている笠などに雪をかぶっています。



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次にやってきたのは山拾壱番の山伏山。
会所前には行列ができるほどの人気。


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それは、会所に飾られた懸装品の数々を見るだけではなく・・・


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会所の奥にある茅の輪をくぐって厄払いしようとする人が多いからなんです。


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御神体人形は会所の二階に飾られています。
平安時代の修験者である浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)だと言われており、
傾いてしまった八坂の塔(法観寺)を法力で元通りにした、という逸話もあります。


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山拾弐番は占出山。
祇園祭全般に渡る物語の主人公的存在の神功皇后がご神体です。


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「厳島之図」、「天橋立図」「松島之図」という日本三景を描いた懸装品は天保2年の作。


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ろうそく売りの歌が聴ける会所は雰囲気抜群です。


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山拾参番、霰天神山です。
永正の大火の際、急に霰が降ってきてたちまち鎮火したのだそうで、
その際に霰とともに降りてきた小さな天神像を祀ったのが始まり。
鳥居の左右の榊には、霰を表す紙縒りがたくさん結ばれています。


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くじ取らずの岩戸山は前祭の殿(しんがり)となる船鉾の前をゆく鉾。
会所には懸装品の見送りである、「日月龍百人唐子遊文」や皆川泰蔵作の「ヴェネチア」が間近で見られます。


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そして、共に飾ってある岩戸山のミニチュアも精巧にできていて興味を惹かれます。
唯一、屋根の上に御神体人形を載せて巡行する岩戸山。
鉾内に天照大神(あまてらすおおみかみ))と手力男命(たぢからおのみこと)を載せ、
屋根の上には伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が載っています。


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ここまで、すべて「山」の会所を巡ってきましたが、最後に「船鉾」をご紹介しましょう。
こちら、祇園祭の物語においては主役級の鉾。もっぱら長刀鉾が注目されますが、
前祭の殿を行く船鉾は、「出陣の鉾」。神功皇后が三韓征伐に出向く説話を元にしています。

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青貝螺鈿細工の昇り飛龍(上の写真)、
裏面は同じく下り飛龍が美しく描かれています。



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側面にも阿吽の飛龍が飾られています。


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こちらの船鉾にも3体の御神体人形が載ります。
奥から、住吉明神、鹿島明神、龍神安曇磯良です。
龍神安曇磯良はなかなか強面ですね(^^)


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神功皇后は妊娠中に戦に出陣し、戦勝した上に無事皇子を出産したことから安産の神ともされています。
そんな船鉾の会所で唄われる土産物売の唄は「腹帯売の唄」。
動画でもお楽しみください。



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by kwc_photo | 2019-08-07 07:07 | 京都(Kyoto) | Trackback