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花景色-K.W.C. PhotoBlog

京都・奈良を中心に、花と緑や紅葉の景色、そして時々舞妓さんを撮影しています


by Katsu

祇園祭2018 前祭山鉾巡行

  
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前祭の山鉾巡行は17日に行われます。
今年は四条通で注連縄切りを見た後、少し四条通で見学、
その後河原町通、新町通で巡行の様子を見学しました。



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注連縄切りの様子は前の記事でお伝えしましたので、次は「山一番」のくじを引き当てた蟷螂山から。
カマキリが動くという、唯一の「からくり」の山です。
行列の役員さんから「応援していただくとカマキリがうごきま~す」の声。沿道がどっと沸きました(^^)
鎌をあげたり、羽が広がったり。楽しい動きをする蟷螂山です。


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見送りもカラフルで美しい鴛鴦。
友禅染作家の羽田登喜男氏によるものです。


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次は霰天神山。
前懸はベルギー・ブリュッセルの毛綴(タペストリー)で「イーリアス」の一場面。
トロイア王子ヘクトールと妻子の別れのシーンが分割されています。
残る部分は鶏鉾の見送り、長浜曳山まつり鳳凰山の見送りとなっています。


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続く山は油天神山。
涼やかな色の水引「翔鷹千花図」が鮮やか。平成18年の新調です。


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二つ目の鉾がやってきました。
函谷鉾です。函谷鉾の前懸もベルギー・ブリュッセル製の毛綴で「イサクの結婚」の物語が描かれています。
「イサクに水を供するリベカ」とタイトルがついています。
平成18年の新調品ですが、本物は重要文化財指定されています。

舞妓さんも二人、秀麗な鉾に魅入っていますね~(^^)


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次の山は孟宗山。
平山郁夫による「砂漠らくだ行(日)」の胴懸が目を引きます。
反対側は「砂漠らくだ行(月)」。夜のシーンなんですよ。


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孟宗山は筍山(たけのこの里、じゃないですよ(笑))とも呼ばれています。
病気の母のために雪の中を母の好物の筍を探し回り、掘り当てた!というシーン。
手に持っているのは雪のついたタケノコなんです。松にも笠にも雪が積もっていますよね。



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綾傘鉾がやってきました。
お稚児さん、暑かったでしょうに、頑張って歩いています。


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しっかりした足取りで歩いている姿、立派でしたよ。


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綾傘鉾は二基の傘鉾が巡行します。
御神体の木彫りの金鶏が飾られたこちらは「飛天の図」の傘垂がり。


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もう一基は頂に松が飾られています。
傘垂がりは人間国宝の染色家・森口華弘氏による「四季の花」。


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振り返ると、函谷鉾を先頭に並ぶ山鉾を見ることができました。


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こちらは白楽天山。
白楽天が道林禅師に仏法の大意を問うシーンを表現しています。
胴懸は18世紀のベルギー・ブリュッセル製毛綴「女狩人」。
昭和53年の購入ということで、比較的新しく祇園祭でみられるようになった逸品なんですよ。


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また大きな鉾がやってきました。
鶏鉾です。赤い揃いの笠と「鶏」の文字が染め抜かれた半纏の曳き手さん。


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お稚児さんが乗っているように見えますが、稚児人形は山口源ノ光好作と伝えられています。
この鉾の稚児人形だけお名前がないんです。それがまた謎だったり。


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音頭取りさんは爽やかな水色の着物。
囃子方は揃いのはちまきと濃紺の浴衣。
下水引は金地綴錦「唐宮廷楼閣人物図」。
前懸は中東連花葉文様のヘラット絨毯、胴懸は大斜め格子草花文様のインド模織絨毯です。

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お次は太子山。
豪華な懸装品に目を奪われました。
今年の新調品である胴懸は「紺綴織スガ地花鳥樹孔雀文様ベトナム刺繍」。
243年ぶりに左右対で製作されました。ベトナムで3年かけての製作だったそうですよ。


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御神体人形はその名の通り「聖徳太子」。
大阪四天王寺建立にあたり、聖徳太子自ら山中に入って良材を求めたという伝説によります。
なるほど、斧を持っているのはそういうことなんですね。
真木にもほかが松を使うのに対し、この山だけ杉の木を使っています。


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引き続いて琴破山の異名を持つ伯牙山。



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御神体人形は伯牙。
琴の名手でしたが、唯一無二の親友、鍾子期の訃報を聞き、その琴の絃を断ったという故事によります。


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新町に移動して南に向かう山鉾を鑑賞します。
先頭はやっぱり長刀鉾。
新町御池でお稚児さんや禿さんは降りていますので、鉾の中は囃子方さんだけです。


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さらにちょっと南へ下って、綾傘鉾の棒振り囃子を見ることにしました。


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この旧家の前で棒振り囃子が始まります。


見事な棒さばき!
宵々々山の会所でも見せていただきましたが、赤熊をかぶった本番も見られてよかったです。



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正面から太子山がやってきました。
錫杖を引き摺る音が印象的。


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再び鶏鉾!
狭い新町通をギュウギュウで進む様子は圧巻!


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迫力満点ですね。
左側の町家の二階では、二人の舞妓さんが手を振っています(^^)


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鶏鉾の見送りを見忘れてたので、ここで見られてよかった。
こちらも16世紀ベルギー・ブリュッセル製、トロイア王子ヘクトールと妻子の別れの場面で、
龍村美術織物さんが平成15年に復元新調したものです。
復元新調にあたっては、重要文化財指定された現物の色あせが進んでいたため、
退色が比較的マシであったこの見送りの対になる長浜祭の鳳凰山の見送りを
参考にして2年がかりで色彩を蘇らせたのだそうです。


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月鉾がやってきました。
稚児人形のお名前は「於菟麿」さんです。


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後ろは郭巨山。
唯一油紙を被せた日覆障子の屋根覆いがある山です。
「釜掘り山」とも呼ばれ、貧困のために年寄りの母と男児を養えなくなった郭巨が、
「子はまた得られるが、母はまたと得られない」という思いで、男児を山へ埋めに行く
という故事にちなみます。(毎回ひぇ~と思ってしまいます)
男児を埋める穴をほっていた郭巨は、なんと黄金の釜を掘り当てて、男児は助かり、
母には孝養を尽くすことができた、というハッピーエンドなのですがね。


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次は菊水鉾がやってきました。
稚児人形は「菊丸」さん。菊の露を飲んで700歳まで生きたという、能装束をまとった童子です。
前懸は皆川月華作の「飛鶴図」。なんとも目出度い図柄です。


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音頭取りさんは他の鉾とは違い、扇ではなく菊の葉をかたどった団扇を持っているのが特徴です。
唐破風屋根の内側もカラフルで豪華ですね。


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見送りも見事な孔雀が描かれています。
前懸と同じく、皆川月華作の「孔雀花草図」。白孔雀も飛んでいますね。


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遠目からも目立つ、屋根の上に御神体人形を乗せているのは岩戸山です。


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屋根の上は天瓊矛を持った伊弉諾尊。
そして、鉾の中には天照大神と手力雄尊の御神体人形が安置されています。


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そして・・・通りの人の波に乗るようにやってきたのは船鉾。


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殿(しんがり)をつとめる船鉾はやっぱり豪華絢爛。
船首には想像上の鳥、「鷁(げき)」を乗せています。
外からは見えませんが、鉾には四体の御神体人形が乗っています。
神功皇后、皇后に従う住吉明神、鹿島明神、龍神安曇磯良です。
宵山までの会所で見ることができます。


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螺鈿細工の楫には飛竜と波の模様。
これが大好きなんです。


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船尾には飛竜が三頭飾られています。
船鉾、後ろ姿も凛々しいなぁ~。


今年も山鉾巡行の雰囲気を楽しめてよかった。また来年も見られるかな。
この豪華さはやっぱり間近で見たいですね。

※あちこち移動した都合上、新町を通ってこなかったいくつかの山には出会えず、
また船鉾で暑さに負けたので、最後の放下鉾が見られずでした。
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by kwc_photo | 2018-08-09 07:09 | 京都(Kyoto) | Trackback