祇園祭2017 前祭山鉾巡行(完結編)
2017年 08月 04日
鶏鉾の辻回しを見た後、新町通を南下しました。
後ろに迫る山鉾も圧巻。
これで辻回しのポジションまで進みます。
前の車輪に綱をかけ、曳き手さんが一列に並びます。
ギギギギギ!と鉾が45度回転しました。
音頭取りさんも気合いが入ります。
二回でキッチリ90度回りました。お見事!
こうやって横から全容を見ると、本当にのっぽ。
鶏鉾が新町通に消えていってから、私も新町通りの南側へ向かって先回りしました。
人気のからくり山です。御所車の上に乗ったカマキリの鎌や羽が動くんですよ~。
子どもたちが「羽ひらいて~!」と声を揃えると、大サービスで羽が開きました。
そう、御所車の中で人が操作しているんですよ~(^^)
暑い中、おつかれさまです。
人間国宝の羽田登喜男氏の「瑞苑飛翔之図」。友禅染なんですよ。
稚児人形は唯一「無名」なんです。文久3年(1863)山口源ノ光好作と伝えられます。
面長であまり子どもっぽくないかも?
水引は「唐宮廷人物図」です。
叙事詩イーリアスより「トロイの王子と妻子の別れ」の一場面を描いています。
後祭の鯉山の見送り、胴懸と対をなすタペストリーで、重要文化財指定されています。
復元新調品で巡行しますが、本物は会所に飾られます。
二十四孝の一人、郭巨の物語なのですが、儒教思想にもとづいています。
貧しかった郭巨は、老いた母と妻、子の四人暮らし。
食べ盛りとなった三才の子ども可愛さに、老母は自分は食べずに子どもに与えてしまいます。
郭巨は「子は再び得られるが、親は二度と得られない」と、子どもを埋め殺すことを
決意し、山へ・・・鍬を持って土を掘ると、黄金の釜が出てきて子どもは助かり、
貧しさから脱却できた、というお話。うーん、心境は複雑です(^^ゞ
親孝行のお話なんですが、三才の子どもちゃん、よくぞ殺されずに・・・と思ってしまいます。
緋桃をバックに万葉美人が描かれています。
稚児人形はその名も「菊丸」さんです。
見送りは爽やかな緑が印象的な岩澤重夫下絵の「深山菊水図綴織」。
8年ぶりの登場だったようですよ。
ここにやってきたのは岩戸山です。
鉾の中には天照大神(あまてらすおおみかみ)、手力男命(たぢからおのみこと)の御神体人形。
三体の御神体人形があるんですね。
上部に描かれた龍の左右に月と日がありますね。
出陣の船、と言われます。
御神体人形は占出山、大船鉾と共通する「神功皇后」です。
前祭で出陣、後祭で凱旋する、という物語なのですね。
やっぱり祇園祭は船を見ないと終われません(^^)
黒竹では舞妓さんの実佳子さんと朋子さんが手を振っておられましたよ。
というわけで、あちこち移動しての撮影となった前祭山鉾巡行。
すべての山鉾をお届けというわけには行きませんでしたが、
いろいろなアングルでお楽しみいただけたかな、と思います。
後祭は巡行が会議日・・・(^_^;)
というわけで、会所まわりと宵山の雰囲気だけですが、引き続いてお届けします。