5月18日、抜けるような青空の日。
上七軒の勝奈さんは襟替えをされ、舞妓から地方(じかた)さんになられました。
勝奈さん、おめでとうございます。
襟替えの数日前に、先笄(さっこう)を結われた勝奈さんを撮影する機会をいただきました。
舞妓さんとしての最後の姿、お届けします。
5月の雨が降り注いだ午後。
しょうざん庭園・湧泉閣にて。
先笄・色紋付の装いにてお越しいただきました。
お見世出し(舞妓さんとしてデビュー)されたのが2012年11月。
翌年の
上七軒盆踊り が勝奈さんを撮影した最初でした。
その勝奈さんがもう先笄。感慨深いものがあります。
すっかり大人の女性になられましたね。
これが舞妓さんとしての最後の髪型、先笄です。
何とも複雑そうにみえますが、玉簪の上にある、べっ甲の笄(こうがい)に、
八の字を描くように髪を結わえ、橋の毛を後ろへ垂らします。
江戸後期、新妻や若妻の間で流行した髪型だそうです。
笄を引き抜くと、はらりと解ける・・・そんな艶っぽいお話も。
この先笄を結って、これもまた舞妓最後の舞として「黒髪」を舞う。
切ない恋の唄なんですよね。
舞妓さんの卒業の儀式といったところでしょうか。
さて。
精進が良いのでしょう。雨もホントに嘘のようにあがってくれました。
雨で現れた青葉が眩しい庭園へ。
朱傘に青葉。
鮮やかな色彩とともに、美しい舞妓最後の姿を写しとめましょう。
雨上がりの情景。
お茶室の壁の窓を額縁に。
本当に美しい髪型です。
今回、撮影で意識したのは視線です。
ぜひ一枚一枚の見つめる先を一緒にご覧ください。
いつも笑顔が愛らしい勝奈さんですが、舞の時は本当に憂いを少し含んだ、切ない表情なんです。
その舞で、時折見せる遠くを見つめるような眼差しが好きでした。
杉木立の間にて・・・
傘を開くときの、少しうつむいた表情。
すでに彼女の目は、先を見据えているようです。
地方としての新たな出発。
立ち方(舞をする役)ではなく、その舞や舞台、お座敷を盛り上げる楽器の奏者を地方と言います。
主にはお三味線でしょうか。
いろいろな選択肢がある中で、彼女が決めた答え。
凛とした目が見つめる先には、もう目指すべき自らの姿があるのでしょう。
新緑の中、あふれる舞妓さんとしての魅力。
まさに、最後の輝き。
引き込まれるように撮影する自分がいました。
唇だけを・・・
これだけでも艶っぽい。
この5年間、彼女が磨き続けてきた大切なものを見せていただいている気がしました。
青葉が映り込むガラス戸をバックに。
皆さんが正面から狙っているところを、そっと横から・・・
あ・・・。見つかっちゃいました。
ふんわりした流し目。大人の女性になられましたね。
青葉の向こう。
フッと見上げた眼差しが素敵でした。
舞妓になる夢を叶えた少女。
今、確たる自分を胸に抱いて次のステップへ。
しょうざん庭園入口にて。
雨上がりで、玉砂利もしっとり。絵になる光景でした。
立ち姿の美しさ。
見とれますね。
さぁ、庭園での撮影もそろそろ終わりです。
青葉のスキマから。
扇を持ってポーズ。
最後は上七軒歌舞練場にて。
能面を手に。
欄干に腰掛けて・・・
彼女の目指す道に光あれ。
そう思ってやみません。
舞妓としてのこの微笑みを忘れません。
どうか素敵な地方さんになってくださいね。
花街・上七軒に新たなスター地方さんの誕生。お慶び申し上げます。
地方・勝奈さんのご活躍をお祈りいたします。
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