中小路家・御殿飾り・変わり雛(西国街道ひな人形巡り)
2015年 03月 05日
後編の今回は、今では見かけない「御殿飾り」などを中心にお届けします。
前編となる 中小路家・七段飾り・五段飾り(西国街道ひな人形巡り) はこちら
箱も立派なので、こういう飾り付けをされていました。背景にされているお軸もひな飾り仕様です。
御所の紫宸殿を模して作られた御殿に、お雛様、お内裏様が飾られます。
菊の御紋がやんごとなきお方のお住まいを表しています。鯱まであるのはご愛嬌。
おそらく京都で作られたものではないようです。
漆塗りも使われている逸品です。
子どもたちは宮中の雅な様子をこのひな飾りで想像して楽しんだのでしょうね。
お人形は小さめですが、漆塗り、丹塗りを使った御殿は本当に見事な作りです。
大正期のものだそうです。
それは、こうやって上から覗くことができるように。
見たこともない御殿の暮らしを想像できる工夫ですね。
昭和三十年頃を境に、プッツリと製作されなくなったようです。
組み立て、片付けがとても複雑だったこと、流通の発達により、関東で主流だった
七段・五段飾りが京阪神にも浸透したのが原因のようです。
今もその美しき様子を見せていただけるのは嬉しいですね。
海に流すのだそうですよ。
岡山県北木島の流し雛です。
桟俵の上で微笑むお雛様。厄を移して流します。
上はお内裏様が左、下は右ですね。関東仕様と関西仕様、ってところでしょうか。
千代紙で織ったお雛様に大豆で頭をつけ、竹の皮の舟に乗せます。
寛永通宝の一文銭は渡り賃でしょうか。
こちらも厄を移して吉野川に流します。
お内裏様は大石内蔵助のような凛々しさですね。お雛様もお顔立ちが可愛らしい。
素焼きのお顔は芳山作との銘が。
五段飾りをお軸にしていますね。
浮世絵風の絵が素敵です。
見事ですね。