沙羅の花を愛でる会(妙心寺塔頭・東林院)
2014年 06月 29日

この一瞬を、ここにいるひと時を、今の私を、大切にできていますか?
一日花と言われる沙羅の花。
諸行無常を感じ、日々の瞬間を大切に生きることを考える機会となりました。
この花の開花に事寄せて開かれるこの会に、今年も行ってきました。
沙羅の花を愛でる会は6月30日(月)までです。

30分前に到着し、受付のおばちゃんとお話をしながら開門を待ちました。

どうも今年の空梅雨はいろいろな植物に影響を与えた様子。
おばちゃんも「やっと昨日の雨で一息ついたけど、今年の沙羅はかわいそうやった」と。

なるほど、いつもはいっぱい落ちていた沙羅の花、ちょっと今年は寂しい。

昨日の雨で息を吹き返した沙羅の花が、いくつか花をつけていました。


よくよく見ると・・・

「今年はどれだけ花が咲くんだろう、というほど蕾がついたんです」とお坊さんが話しかけてくれました。
しかし、花開くことができずに落ちてしまったんですね。
お坊さんのお話は少し解釈がちがいました。
「水が足らない、すべての花が咲かせられないと判断した沙羅の木は、ちゃんと調整して蕾を落としたんですね」
なるほど。沙羅は沙羅なりに一生懸命なのですね。

沙羅の花を愛でる会では、いつもこの沙羅の花を模したおまんじゅうをいただけます。

別名、「夏椿」の花はとても清楚。



「人はみな、『いま』を生きています。過去を生きている人や、未来を生きている人はいません。
沙羅の花も、『いま』を生きています。精一杯『いま』を使って、落ちるんです。
皆さんは、『いま』をちゃんと使えていますか?」

「すべてのものは、刻々と移りゆくもの。
庭の石とて、変化がないわけではなく、雨風にさらされて刻々と姿を変えている。
ただ、スパンが長いだけなんです。」

この花が咲き、そして落ちる様子に、自らが過ごしている「刹那」を重ねて省みる良い機会となりました。

足元に咲く小さな花を見つけました。

可愛らしい星形の白い花を咲かせてくれていました。
今年は少し寂しかった沙羅の花。これもまた常ならず。
今年の「いま」を精一杯生きた沙羅の姿を見せてもらった、東林院でした。

大心院のノウゼンカズラ。
いつも沙羅の花と同時期に満開を迎えます。
夏らしいオレンジ色の花が綺麗。

衡梅院の夾竹桃です。
夾竹桃、綺麗に満開になる時期なのですが、被写体にしたのは初めてかも(^-^)








