花の宴、二曲目は六段くずしです。
紗月さんと佳つ江さんの美しい舞、お楽しみください。
六段くずしは、元々箏曲の「六段の調べ」を端唄として編曲したもの。
「くずし」とは、編曲、という意味合いなのですね。
祇園小唄とならび、芸舞妓さんたちの必修科目とも言えるこの舞。
見どころ満載の美しい舞です。
所作の美しさは随所に。
紗月さん。流れるような所作のうちに袖を取り・・・
美しい・・・
着物の袖も舞の表現の一部となるのですね。
はらり。
袖が手を離れ、今度は表情に目を奪われます。
キリリ。
引き締まった表情が凛々しく、両の手の表情も見事。
姿勢の美しさ。
佳つ江さんは先日襟替えをして芸妓さんになられました。
いわば、舞妓さんとしては熟練の域の舞。
袖をとって・・・
六段くずしの名場面ですね。
紗月さん、瞳も美しく、表情に引き込まれます。
さて、六段くずしは佳境へ。
そう、舞の初めから帯に挟まれていた手ぬぐい。
これが登場します。
手ぬぐいが紡ぎ出す情景。
六段くずしの大見せ場。
手ぬぐいの合間から見せる表情がまた魅力的。
芸妓さんは白地に紫、舞妓さんは白地に赤の手ぬぐいを使われます。
鈴や傘、扇など、舞に使われる道具はいろいろありますが・・・
手ぬぐいの舞は何とも情緒豊か。
井上流は能の流れを汲む流派。
表情に喜怒哀楽は表さない代わりに、瞳と所作にすべてが込められます。
手ぬぐいを使った舞の代表とも言える六段くずし。
柔らかな所作の中に舞う手ぬぐい。
佳つ江さんのキレの良い舞と・・・
紗月さんの優美な舞。
花の宴で、間近でこの舞を見せていただけて嬉しい。
お二人の作り出す六段くずしの舞の雰囲気に・・・
どんどんと引き込まれていくうちに・・・
夢のように舞は終わりの時を迎えました。
紗月さん、佳つ江さん、ありがとうございました。