京都の紅葉2016 修学院離宮(中離宮編)
2017年 02月 09日
楽只軒を中心に、趣のある建物と紅葉をお楽しみください。
(※11月23日撮影)
正面にドーンと門がありますが、そこを開けるのではなく、この紅葉の下にある隠し扉を通って進みます。
近辺の詩仙堂や圓光寺が散りきっていたのですが、ここは残ってくれていてうれしかったです。
こちらは楽只軒。後ほど回ってきます。
上離宮の隣雲亭は青空で撮りたい!と思っていたので、願いが通じましたね。
やや色づきは悪いですが、これまた今シーズンは致し方ないところ。
こちらは豪華な設えが見どころ。
板襖に描かれているのは祇園祭の山鉾。住吉具慶作と言われます。
現在の鉾とは少し違いますが、当時の祇園祭の様子をうかがい知ることができますね。
特徴を見る限り、右が放下鉾、左が岩戸山。
左は八幡山のような要素もありますが、伊弉諾尊の御神体人形がのっていることから、
これが過去の岩戸山の形だったのだろうと推測されます。
北観音山、南観音山に倣って、大屋根をつけた現在の形になったようですが、
確かに現在も鉾柱はなく、真松を立てているなど、この絵との共通点も見い出せます。
興味深いですね。
霞棚と言われます。霞がたなびくような美しい配置の棚板。
背景に施された金泥による雲、そして和歌や漢詩が貼り込まれた風流な棚です。
伝承によると、元々は金の網は描かれておらず、夜な夜な襖から抜け出る鯉に困って
後に金の網を描いたのが円山応挙だそうな。そして、その網も数カ所破られており、
もしや、今もこの鯉は夜になると抜け出して、池で泳いでいるのかも???(^^)
長押にかかる額に書かれた楽只軒の文字は後水尾上皇の宸筆。
林丘寺2代・普光院宮が疱瘡にかかった際、護摩を室内で焚いたため、
全体的に真っ黒だったそうですが、スス落としをしてキレイに復原されました。
とはいえ、まだその名残が長押に残っていますね。
これは上離宮が期待できます(^^)
ホントはもっと色づきが良いのですよ~。
空は見事晴れてきました。
目指すは松が誘う御馬車道の向こう。
次回は上離宮編。いよいよ修学院離宮のクライマックスです。