甘茶といえば、花祭り(灌仏会)でお釈迦様に掛ける、あれを思い出しますよね。
その甘茶の花が咲き乱れる霊源院さんを訪れました。
美しい甘茶の花で埋めつくされたお庭、ご覧ください。
(※6月4日撮影)
建仁寺へ入り、塔頭の霊源院へ。
門から見えているのは、そう、甘茶です。
可愛らしい青い花。
ユキノシタ科のこの花、ヤマアジサイの変種なんです。
そりゃぁアジサイと見間違いますよね(^-^)
梅雨時によく似合う可愛らしい花です。
やや細長い葉っぱ。丸い感じの紫陽花とは少しだけ違います。
何が違うって、紫陽花の葉は
厚生労働省のページでも警告されている「自然毒のある植物」。
その点、甘茶の葉は毒性がないんです。
一重のクチナシとともに枯山水庭園を彩る甘茶。
こんなに甘茶の花が咲き乱れるお庭は、この霊源院の甘露庭くらいではないでしょうか。
一株、七段花(シチダンカ)も咲いていました。
この花、シーボルトが発見したと伝わりますが、130年の間その存在が確認されていませんでした。
昭和34年に見つかったのだそうですよ。
咲き乱れる甘茶。
葉っぱは若いうちに摘み取り、乾燥させることでサッカリンの2倍という甘みが出ます。
これをお茶にしたのが「甘茶」です。
紫色の甘茶。
ガクの部分がピンクに色づいている物もありますね。
梅雨の頃だけ特別公開されるこのお庭。
まさに甘茶のためにあるお庭と言って良いでしょう。
クチナシの甘い香りを嗅いでいたら、お寺の説明をする方が色々と話をしてくれました。
甘茶の美しさを余すところなく見せてくれるこのお庭。
この咲きっぷりはまさにその存在感をアピールするかのようです。
この枯山水のお庭、釈迦の一生を表しています。
この甘茶に囲まれた若木は「無憂樹」。
釈迦の母、マーヤ夫人がこの無憂樹に触れた時に、お釈迦様は生まれたといいます。
お庭の奥にはお釈迦様がその木の下で悟りを開いたという菩提樹が、
そして、お釈迦様が入滅されたという沙羅双樹の木も植えられています。
そんな説明を聞きながら、甘茶が満開となったお庭を眺めさせてもらいました。
門の手前で、甘茶が見送ってくれました。
花数も多く、見応えのあった霊源院の甘茶の庭「甘露庭」でした。