茂山あきら社中・狂言会(金剛能楽堂)
2014年 10月 14日
楽しい演目がいっぱいでした。
その中から、いくつかご紹介しますね。
鎌がついた棒を持った奥方様は、仕事もせずにほっつき歩く亭主にご立腹。
亭主を追い掛け回しているところに仲裁人が現れます。
この方、一昨年の節分のとき、平安神宮での狂言で演じておられた方でした(^-^)
今も昔も、御内儀さんはコワイものですね(笑)
いやいや、ちょっと落ち着け・・・と仲裁する方も苦笑気味です。
仲裁人が何とか御内儀をなだめ、亭主に鎌を持って山へ仕事に行かせると話をつけましたが・・・
えーい、忌々しい、ヨメに殺されるくらいなら、自分で死んでやる!と意気込みます。
いや、そんなことをすれば、ただ足を滑らせて死んだと思われておしまいだ。
何とかあの憎々しいヨメの面当てになるような死に方はないものか・・・
えい!と気合いを入れますが、チョンと鎌があたっただけで
「イタイイタイ・・・どこか怪我はなかったか」と、傷の心配をする始末(笑)
死に方を考えるたびに、回りに「これから珍しい死に方をするから見に来い!」
と触れ回るのも滑稽です(笑)
しかし、臆病風に吹かれて、鎌を飛び越えてしまいます(笑)
それならば、目隠しをして!
やっぱり飛び越えてしまいました(笑)
死ぬのを思いとどまって山へ柴刈りに行こうとしていた男は、再び見栄を張って「今死ぬぞ!」と。
「そうか、それじゃぁ、ワシの代わりに死んでくれるか」と曰って、
再びヨメに追い掛け回されて舞台は終わります(^-^)。
雲の隙間から足を踏み外して落ちてきたのは雷様。
腰をしたたかに打ち付けてしまいました。
アイタタ!とのたうち回る雷様の演技もコミカルです。
雷様、子供の雷様は可愛かったですが、こちらはナカナカ迫力あり(笑)
鍼を打ち始めるときはノリノリなのが笑えます。
この後、薬師に治療費を請求されますが、手持ちがありません。
今後800年のうち、雨風を操って干ばつや水害から守ることを約束して天に帰って行きました。
茂山あきら師匠が出演です。
太郎冠者の謡がうまいと聞いたご主人様、何とか謡わせようとしますが・・・
この先、何度も謡わされるのはゴメンだと、いろいろ理由をつけて断ろうとします。
さぁ、謡ってみせてくれ、というと、今度は「女の膝枕で寝ながらでないといい声がでない」と。
仕方なく謡をはじめる太郎冠者。上手な謡が始まります。
寝ると上手になって、起きると下手になります。
ご主人様は寝させたり座らせたりを繰り返すうち・・・太郎冠者は上手下手を逆にしてしまいます。
お約束的なお笑いですが、何とも味のあるお笑いですね。
いやぁ、能舞台って檜皮葺で本当に立派ですよね。
と掛け声だけは良いのですが、絶対死ねません(笑)
コミカルですねぇ。
説明はいいから、はようやりなさい!と言いたくなりますね(笑)
ひょうきんな表情は狂言の味わいの一つですね。
それは今の吉本などのお笑いのルーツと言えるのかもしれませんね。
伝統芸能「狂言」。気楽に見に行くのも楽しいですね。
また機会があれば見たいと思います(^-^)