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花景色-K.W.C. PhotoBlog

京都・奈良を中心に、花と緑や紅葉の景色、そして時々舞妓さんを撮影しています


by Katsu

沙羅の花を愛でる会(妙心寺塔頭・東林院)

  
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いま、ここ、わたし。
この一瞬を、ここにいるひと時を、今の私を、大切にできていますか?

一日花と言われる沙羅の花。
諸行無常を感じ、日々の瞬間を大切に生きることを考える機会となりました。


この花の開花に事寄せて開かれるこの会に、今年も行ってきました。
沙羅の花を愛でる会は6月30日(月)までです。




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会は9時半に始まります。
30分前に到着し、受付のおばちゃんとお話をしながら開門を待ちました。


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参道はちょっと玉が小さな紫陽花たちが彩っています。
どうも今年の空梅雨はいろいろな植物に影響を与えた様子。
おばちゃんも「やっと昨日の雨で一息ついたけど、今年の沙羅はかわいそうやった」と。


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さて開門。
なるほど、いつもはいっぱい落ちていた沙羅の花、ちょっと今年は寂しい。


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昨日は咲いている花も少なかったそう。
昨日の雨で息を吹き返した沙羅の花が、いくつか花をつけていました。


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落ちている花もありますが、どうも小さい。
よくよく見ると・・・


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蕾のまま落ちているものが多いのです。
「今年はどれだけ花が咲くんだろう、というほど蕾がついたんです」とお坊さんが話しかけてくれました。
しかし、花開くことができずに落ちてしまったんですね。

お坊さんのお話は少し解釈がちがいました。

「水が足らない、すべての花が咲かせられないと判断した沙羅の木は、ちゃんと調整して蕾を落としたんですね」

なるほど。沙羅は沙羅なりに一生懸命なのですね。

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名前を呼ばれ、お茶とお菓子をいただきます。
沙羅の花を愛でる会では、いつもこの沙羅の花を模したおまんじゅうをいただけます。


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緑の中に爽やかな白。
別名、「夏椿」の花はとても清楚。


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今咲いている花たちは、明日には地に落ちることになります。


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奥の沙羅の花の像と同じポーズで咲いていてくれました。


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ご住職のお話が始まりました。

「人はみな、『いま』を生きています。過去を生きている人や、未来を生きている人はいません。
沙羅の花も、『いま』を生きています。精一杯『いま』を使って、落ちるんです。
皆さんは、『いま』をちゃんと使えていますか?」


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諸行無常。

「すべてのものは、刻々と移りゆくもの。
庭の石とて、変化がないわけではなく、雨風にさらされて刻々と姿を変えている。
ただ、スパンが長いだけなんです。」


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翻って、スパンの短いこの沙羅の花。
この花が咲き、そして落ちる様子に、自らが過ごしている「刹那」を重ねて省みる良い機会となりました。



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帰り道。
足元に咲く小さな花を見つけました。


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銀杯草(芝桔梗)です。
可愛らしい星形の白い花を咲かせてくれていました。

今年は少し寂しかった沙羅の花。これもまた常ならず。

今年の「いま」を精一杯生きた沙羅の姿を見せてもらった、東林院でした。

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おまけ。
大心院のノウゼンカズラ。
いつも沙羅の花と同時期に満開を迎えます。
夏らしいオレンジ色の花が綺麗。


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そして、もうひとつ満開を迎えている木が。
衡梅院の夾竹桃です。

夾竹桃、綺麗に満開になる時期なのですが、被写体にしたのは初めてかも(^-^)
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Tracked from Deep Season  at 2014-06-30 18:11
タイトル : 東林院
 沙羅  紫陽花を眺めながら待った  開門と同時に入る  眼前に広がる沙羅双樹の庭    まずは名前が呼ばれ  一杯の抹茶をいただく  今日も暑い日になりそうだ    ありがたい法話に耳を傾け  今の一瞬を切り取る  今日一日を精一杯に咲く   白い花を眺めながら・・・    よく見ると木々には蕾がいっぱい  雨待ちをしていると言われていたが、果たして公開終了までに咲くだろうか  雨乞い  しとしと降...... more
by kwc_photo | 2014-06-29 20:41 | 京都(Kyoto) | Trackback(1)