ブログトップ | ログイン

花景色-K.W.C. PhotoBlog

京都・奈良を中心に、花と緑や紅葉の景色、そして時々舞妓さんを撮影しています


by Katsu

重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)

  
重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_1214107.jpg
極めつけ、ということで、重森三玲の庭シリーズの大トリはご自宅に作った庭で。

(※6月6日撮影)




重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12145078.jpg
京大の近く。普通の民家の並びのようで、ふとすると通りすぎてしまう感じ。
でも、門のむこうをのぞくと・・・。
斜めに走るラインのデザインに、重森三玲テイストを見つけました。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12145350.jpg
曲線を描く敷石、そして、まわりの砂利。
この砂利も、青い石が敷き詰められているんです。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12145799.jpg
ここが庭園への入口。
14時の開門が待ち遠しく思えました。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_1215754.jpg
青石が並び立つお庭。
苔は毎日3回水やりしているのだそうで、このお天気でも青々としていました。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12153474.jpg
この空間に、どれくらい石が置けるのか・・・そんな実験をされたのではないでしょうか。
たしかに、どの石を欠いてもバランスが崩れる絶妙の配置。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12154859.jpg
書院には三玲直筆の書が飾られていました。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12155245.jpg
これはおまじない。
あじさいの花を水引で吊り下げてあります。魔除けなのだとか。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12155560.jpg
書院には三玲と親交のあった、イサムノグチの明かりがありました。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_1216174.jpg
中央の大きな平たい石のみ、元々の所有者であった吉田神社の社家であった鈴鹿家時代からあったものだそうです。

曲線を描く苔と敷石は陸、白砂は海を表し、この庭に理想郷を描いていた三玲。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12161755.jpg
青々とした苔庭に、青石。
1970年にこのお庭を完成させた三玲は、この縁側から理想郷を厭かず眺めていたのでしょうね。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12162267.jpg
踏石の上に置かれた「関守石」。
通せんぼの意味だけじゃありません。茶室へ正しく誘うための道標なのだと、館長の重森三明さんが教えて下さいました。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12163381.jpg
苔・白砂・敷石。
静物により動きを表したこの表現で、静かな庭に音が生まれます。
ほら、せせらぎの音が聞こえてきませんか?



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12164279.jpg
こちらは茶室・無字庵。
書院と並び、国の登録文化財となっています。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12165499.jpg
茶室が出来上がったのがお庭の完成の前年。
つまり、三玲はこの茶室からの眺めを計算して庭の設計をしたことになります。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12172510.jpg
茶室にはカメラ持ち込み禁止。
お部屋の外から撮らせて頂きます。
なんとも粋な、市松模様の波が大胆に描かれた襖。
明かりの八角シェードは、重森三玲デザイン。
釘隠しの陶器には、自身で絵付けをしています。
さらには、襖の取っ手。「無」「字」「三」「玲」の文字が彫られています。

このお部屋は、重森三玲が手ずから作り上げた、まさに「自分の部屋」。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12174040.jpg
「根」。これも三玲の書。
棚の上の物入れにも、三玲が描いた襖絵が。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12175766.jpg
こちらは立ち入れないのですが、坪庭です。
敷石の配置、そして、東福寺の方丈庭園でも見かける、柱石も登場。
修学院離宮の「網干の欄干」にも似た、斜めの欄干や、半円形の明かり窓。
さすが、自分の家だけあって、極まっていますね~。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_1218620.jpg
茶室の三和土部分。
ベンガラで紅に色付けしたコンクリが乾かないうちに、三玲が竹箒で掃き跡で模様付けしたのです。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12182055.jpg
障子の下部の斜めデザインも「らしい」ですね(^-^)。



重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)_f0155048_12182915.jpg
重森三玲のお庭、ここに極まれり。

三玲が自分自身のために作ったお庭。その奥義の粋を極めた、凝縮感のある素敵なお庭でした。


京都にはあと、「龍吟庵」(東福寺塔頭)のお庭があるのですが、現在非公開。
また秋の特別公開時に訪れて、重森三玲の庭シリーズ・京都編を完成させたいと思います。
   にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へにほんブログ村 写真ブログへにほんブログ村 写真ブログ 風景写真へにほんブログ村 写真ブログ 京都風景写真へ PVアクセスランキング にほんブログ村   
by kwc_photo | 2012-06-18 23:12 | 京都(Kyoto) | Trackback