重森三玲の庭シリーズ・重森三玲旧宅の庭(重森三玲庭園美術館)
          
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極めつけ、ということで、重森三玲の庭シリーズの大トリはご自宅に作った庭で。

(※6月6日撮影)




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京大の近く。普通の民家の並びのようで、ふとすると通りすぎてしまう感じ。
でも、門のむこうをのぞくと・・・。
斜めに走るラインのデザインに、重森三玲テイストを見つけました。



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曲線を描く敷石、そして、まわりの砂利。
この砂利も、青い石が敷き詰められているんです。



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ここが庭園への入口。
14時の開門が待ち遠しく思えました。



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青石が並び立つお庭。
苔は毎日3回水やりしているのだそうで、このお天気でも青々としていました。



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この空間に、どれくらい石が置けるのか・・・そんな実験をされたのではないでしょうか。
たしかに、どの石を欠いてもバランスが崩れる絶妙の配置。



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書院には三玲直筆の書が飾られていました。



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これはおまじない。
あじさいの花を水引で吊り下げてあります。魔除けなのだとか。



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書院には三玲と親交のあった、イサムノグチの明かりがありました。



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中央の大きな平たい石のみ、元々の所有者であった吉田神社の社家であった鈴鹿家時代からあったものだそうです。

曲線を描く苔と敷石は陸、白砂は海を表し、この庭に理想郷を描いていた三玲。



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青々とした苔庭に、青石。
1970年にこのお庭を完成させた三玲は、この縁側から理想郷を厭かず眺めていたのでしょうね。



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踏石の上に置かれた「関守石」。
通せんぼの意味だけじゃありません。茶室へ正しく誘うための道標なのだと、館長の重森三明さんが教えて下さいました。



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苔・白砂・敷石。
静物により動きを表したこの表現で、静かな庭に音が生まれます。
ほら、せせらぎの音が聞こえてきませんか?



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こちらは茶室・無字庵。
書院と並び、国の登録文化財となっています。



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茶室が出来上がったのがお庭の完成の前年。
つまり、三玲はこの茶室からの眺めを計算して庭の設計をしたことになります。



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茶室にはカメラ持ち込み禁止。
お部屋の外から撮らせて頂きます。
なんとも粋な、市松模様の波が大胆に描かれた襖。
明かりの八角シェードは、重森三玲デザイン。
釘隠しの陶器には、自身で絵付けをしています。
さらには、襖の取っ手。「無」「字」「三」「玲」の文字が彫られています。

このお部屋は、重森三玲が手ずから作り上げた、まさに「自分の部屋」。



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「根」。これも三玲の書。
棚の上の物入れにも、三玲が描いた襖絵が。



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こちらは立ち入れないのですが、坪庭です。
敷石の配置、そして、東福寺の方丈庭園でも見かける、柱石も登場。
修学院離宮の「網干の欄干」にも似た、斜めの欄干や、半円形の明かり窓。
さすが、自分の家だけあって、極まっていますね~。



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茶室の三和土部分。
ベンガラで紅に色付けしたコンクリが乾かないうちに、三玲が竹箒で掃き跡で模様付けしたのです。



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障子の下部の斜めデザインも「らしい」ですね(^-^)。



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重森三玲のお庭、ここに極まれり。

三玲が自分自身のために作ったお庭。その奥義の粋を極めた、凝縮感のある素敵なお庭でした。


京都にはあと、「龍吟庵」(東福寺塔頭)のお庭があるのですが、現在非公開。
また秋の特別公開時に訪れて、重森三玲の庭シリーズ・京都編を完成させたいと思います。
by kwc_photo | 2012-06-18 23:12 | 京都(Kyoto) | Trackback | Comments(14)
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Commented by enable-secret-36 at 2012-06-19 00:24
こんばんは。
重森三玲の旧宅とお庭、素晴らしいです。
今回のシリーズの大トリに相応しい極めつけですね。

流石に1日3回も水やりをしてるだけあって、苔もとても綺麗です。
桜の木もあるようなので、春もきっと綺麗でしょうね(^^)

秋の龍吟庵も楽しみにしております!

Commented by 阿修羅王 at 2012-06-19 05:56 x
おはようございます。
本当に極めつけですね。
実はこちらへは行ったことがないのですが、
ご近所の方が是非に行くべきだと進めて下さっていました。
早くに行くべきでしたね。これは素晴らしい。
大胆な市松の襖が凄いです。

雨狙いで予約を入れてみようかな。
Commented by foto_k at 2012-06-19 08:41
Katsuさん、おはようございます。

実際こんなお庭が欲しいな...なんて思いました。
でもお手入れ大変でしょうねー。
観させてもらうだけが一番良いかな^^
あじさいの魔除け、これなら作れそうです。

静けさを感じる画をありがとうございました(^^)

Commented by sasa920 at 2012-06-19 15:04
こんにちは(^^
自分のために作った庭園 さすが・・・
どこ撮ってもいい画になりますね♪
苔も美しく これは直に見てみたいです! 
素敵な写真 ありがとうございました♪
Commented by prado9991 at 2012-06-19 21:43
こんばんは
ここは訪れたことがないので、行きたい気持ちが湧きあがってきました。
重森テイスト満載ですね、自宅だけあってやりたい放題ですね。
Commented by y213 at 2012-06-19 21:48 x
こんばんは。
お庭はもちろん、至る所に三玲さんの想いが詰まってますね。
市松模様の襖、カッコイイなぁ^^
Commented by kwc_photo at 2012-06-19 23:13
>enable-secret-36さん
大トリにはここ!と決めておりましたが、予約が
取れるかどうか・・・と心配していました。
なんと!修学院離宮とこちらが同時に予約完了でき、
振替休日を使って一日で回って来ました。すごく
ラッキーでしたよ。

龍吟庵もこの秋絶対いってきます。
以前の記事で良ければあるのですがね~。
http://kwcphoto.exblog.jp/15102097/
Commented by kwc_photo at 2012-06-19 23:13
>阿修羅王さん
ここ、職場の人に教えてもらって、即日予約!でした。
たまたま空きが出て、うまく滑りこんでいってきました。
見せていただくのは二部屋からのお庭の眺めですが、
重森三玲の個人宅のお庭を見られるとあって、やっぱり
特別な思いで見せてもらいましたよ。
お茶室にはカメラを持ち込めないのが残念ですが、
凝りに凝ってご自身で作り上げたお部屋の細部を
じっくり見られますよ~。
Commented by kwc_photo at 2012-06-19 23:13
>Kさん
ホント、苔庭が眺められるお部屋を持ってみたいものです。
でも、苔の手入れというか、水のお世話が大変そうです。
京都のお庭は、あまり苔に水をやらない、放置主義だから・・・
と重森三明さんがおっしゃっていました。
昔の京都は、夏といえば毎日夕立があるのが当たり前だった
ので、苔庭に水を・・・という習慣がないのだそうです。

あじさいの魔除け、作ってみようかな(笑)
Commented by kwc_photo at 2012-06-19 23:13
>sasa920さん
人のためじゃなく、自分のために作ったお庭、というのは
ある意味究極ですよね。完全に自分ごのみ、ですから。
石組みも、これでもか!という挑戦のような、そんな
気概が感じられます。
のんびり見られるお庭とは違いますが、値打ちはありますよ~。
Commented by kwc_photo at 2012-06-19 23:14
>prado9991さん
私も初めて行って来ましたよ~。
予約がいるというので、いざ行こうと思ってもおいそれと
行けないと思っていたのですが、ダメ元でメールで申し込んだら、
うまく空きがひとつ出て、滑り込めました。
HPに予約の空き状況も出ているので、参考にして申しこめば
いけると思いますよ~。
Commented by kwc_photo at 2012-06-19 23:14
>y213さん
そうなんです。細部に至るまでコリコリですよ~。
釘隠し、襖の取っ手、欄間などなど・・・
好みを極めていったらこうなった、という感じのお部屋と
お庭でした。
モダンを極めた市松模様の波があしらわれた襖も、
度肝を抜かれますよね~(^-^)。
Commented by akiba-echo at 2012-11-23 13:07
だいぶ遅れてのコメントですが。。旧三玲邸のふすま絵の事を検索
していて寄らせていただきました。
綺麗に撮影されていますね。あの市松のふすま絵、川の流れをあ
らわしている様な気がしています。庭に水の落ちる景色がないの
で、茶室の絵が滝の代わりの様な気がしています。
Commented by kwc_photo at 2012-11-24 14:35
>akiba-echoさん
ありがとうございます。ここは今年の6月に初めていきました。
重森三玲のお庭、好きなんですよね~。で、京都にある三玲のお庭を
めぐろうと、あちこち行った時の記事の一つです。
市松の襖絵も、青石の並ぶお庭も素敵でしたね。
枯山水を極めて、極めてたどり着いた世界なのでしょうね!
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